「血の婚礼」を観ました

「血の婚礼」観ました
というか、全部で5回行く予定があって、今日(9/24)この後3回目。

最初に観た9/17の感想をfbに書き殴っていたので、こちらに転記。
(少々ネタバレありなのでご注意ください)

の前にワンクッションとして、ネタバレにならないようなことをつらつらと。
今までも演劇を観に行くことは年に数回あったのですが、知人が出演している、もしくは、好きな俳優(普段は映像作品が主)が出演しているから観に行っており、つまりは演者が目当てであり、演技と物語を楽しむのが目的でした。

ですが、「血の婚礼」はそれ以上の楽しさ、今までとは違う楽しさを感じたんですよね。
まったくうまく表現できないのがもどかしいんだけれど。
特定の作品に深くハマることが映画に関しては時々ありました。私にとっては「血の婚礼」もそれに似ています。演技や物語ももちろん楽しむんだけれど、舞台装置(映像作品ならセットやロケ場所)、美術、衣装、メイク、音楽……そういった非言語的な要素にまでも様々な解釈を見出せるような作りになっていると深掘りしたいから何度も観たくなり、まさに沼。
そして、映像作品に関しては撮影のテクニックや絵の切り取り方に心惹かれることが多いのですが、舞台にカメラはないので「前回はこのシーンでこっちをしっかり観てたから、今回はあっちをじっくり観よう」「今日は花婿の気持ちになって観よう」と自分自身がカメラマンになった気持ちで……って、やっぱり何度も観る楽しさがあるんですよね(笑)。
時間の制約があって映画ほどには回数を重ねられないのですが、こういうハマり方ができる舞台の作品にこれからたくさん出会えるといいなと思います。

そんなわけで、なんだか意外と「きゃー!かっこいいー!」みたいなテンションにならずに観劇を楽しめる自分に気づいてほっとしています。
(でも、「佇まいが凄まじく美しい…」とは思います)

 

では、ネタバレを少しだけ含んだ9/17の感想をちょこっと。

 

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舞台装置が簡略化されていることでそれ自体にメッセージを持たせることを可能にし、ビビッドな照明や記号的な衣装、生演奏の音楽といった非言語の要素もすべて使っての表現に感覚を刺激されて、うっすらと汗を掻くほどの興奮。
 そして、特に第二部の詩的な台詞は文字を読んでも完全に理解することは難しいけれど、ステージを広く使った身体的な表現を伴って発せられると途端に心の中にすっと滲みて、滲みて、滲みて。
翻訳を読んだときにはからからに乾いた赤土の大地をイメージしていたし、このステージだってココナッツの殻でできた砂を敷き詰められているのに、その砂がじっとりと濡れているような気がするほど、重いものが腹の底に残るお芝居でした。
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そんな感じでした。

台風が近づいているけれど何とかなりそうですね。よかった。